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ラボ設立の想い 理事 寅嶋

フィジカルケアラボを設立した
運営メンバーの思いをご紹介致します。

【理事 寅嶋 静香】

「…こんなの…全然聞いてなかったです…。産後、こーんなに辛いなんて…」
「全然休めない。休もうと思っても、上の子の世話もあるし、家事もあるし…」
「仕事復帰が怖い。骨盤もグラグラしてるし、体力も戻ってないし…不安しかない」
「子供はかわいい。でもこんなに腰が痛くて肩もガチガチで…ええ?って感じで…。」
「体がおかしいと気持ちまでおかしくなってしまって…」
「子供は可愛いですよ。でも、ほんとに夜中はきついししんどい。助けて!って感じ」
「夫は何もしてくれません。どれだけ子供が泣いていようが…ワンオペです。」

…8年間、このような「真実の声@産後生活」を拾い続けてきました。
健康課題@産後…私たちの10年間に渡る調査では、運動器系のトラブルが上位を…。
続いて尿失禁等の婦人科系。

…産後は多くの方が考えている以上に、不調との闘いなのです。
こんな状況で、ポジティブな心をもって!といわれても、土台無理な話ではありませんか?

…道内の単回・連続講座で出会った産後母子は計1600組以上。
他県も含めると2000組を超えました。
彼女たちの声を真摯に拾いあげ、データを集め続け、
今こうして運動ケア講座の確立がなされました。

産後は、絶対にケアが必要なのです。
そして産前からの健康教育もさらに必須。
また、産後が終了したら健康課題がとっても多い更年期へ…。
ここはまだまだエビデンスが浅いですが、
5年間の調査だけでもかなり浮き彫りになりました。
ぜひ、この各ライフステージにおける女性の健康課題…丁寧にみつめてほしいのです。

…現在、運動ケア指導者の養成講座の立ち上げにまで至り、
さらには育成ラボまで実施できる団体が立ち上がりました。
改めて、ここに至るまで、調査にご協力いただいたすべてのお母さま方、
お母さんのそばで微笑み、泣いていた可愛い可愛い全ての赤ちゃん、
講座運営にお力を貸してくださった皆様へ…改めてお礼申しあげます。

…ここにくるまではたくさんの険しい道のりが多々あったことは否定しません。
なにより、私自身が子育て中にこの最初のステップとなる
産後向けの講座を開始したため(17年前)、ほんとに…苦労しました。

まだ幼い子どもたちの手を引いて役所へ向かい、
門前払いを食らったことも一度や二度ではありませんでした
…え?産後ケア?それよりも重症化患者さんが先でしょう?
と話を一切聞いてくれない病院さんも…いくつもありました。

…どうして産後だけこんなに置き去り状態なんだろう?
命がけで生んだ母親を見捨てるかのように、
産後1か月検診のみで母の健康把握は終了だなんて…
フランスや台湾ではこんな扱いは一切ないのに…
公的な産前支援はあっても赤ちゃんの御世話支援ばかり。

産後の公的支援は皆無。更年期も然り…。
だったら私たちが率先して作ってしまえばいいのでは??
…これが「始めの一歩」でした。

こうして今、多くのお母さまがたに出会うことがで、
産前産後ケアの重要性をお伝えし、
更年期の運動が必須であることを伝達できていることは、
とても幸せなことです。

しかし、まだまだ本来の産前産後ケアが全国にあるかというと
…全くもって不足しています。
産後のお母さんは、妊娠・出産があれば、その地域に必ず「生まれる」。
当たり前のように公的な支援として産前産後ケアが立ち上がるには、
まだまだ時間を要することでしょう。

なぜならば、この国の子育て支援政策に
お金が殆ど投じられない状況が現実のものとして、
私たちに降りかかっているからです。

高齢者、公共事業、もちろん大切。
でも国の未来を背負う大事な乳児をおなかの中で10か月も育み、
そして過酷な出産を超え、それこそ睡眠を削って命を削って…育てていくのです。

そのような母たちをどうしてないがしろにするような
縦割り仕組みばかりが横行するのでしょうか?

産前産後ケアが充実している国は、出生率が高いのです。
ここは一目瞭然。日本の少子化を考えたら、手をこまねいている暇はありません。
まだまだ子育て支援、母親支援は道のりが長いことでしょう…

しかし、あきらめずに。100回でも200回でも、
「重要です、産後ケア!」「大切なんです、産前からの姿勢づくり!」
「更年期だってとっても大変なんですよ!」と、
訴え続けなければいけない…と強く強く感じています。
その使命が、フィジカルケアラボにはあると考えております。

このラボは女性の各ライフステージの身体的な健康課題に対し、
適切なアプローチをベースに、ひいては心のケアまでもっていく
講座展開をすすめてまいりました。

今後も丁寧にここを続け、この講座運営ができる人材育成を真摯に行って参ります。
そして、多くの方々が、少しでも地域在住の母子を大事に温かく
…見守って頂ければ幸いです。

地域の女性が元気になると、町がとっても元気になるのです。
ここは10年以上取り組んでいて、確実に伝わってくる空気でした。
ぜひご興味ある方は、育成ラボの研修会をのぞいてみませんか?

とてもアットホームな雰囲気で、皆で支え合う空気感でいっぱいですよ。
他では決してみられない、教育・医療の行き届いた育成ラボが、
あなたのスキルを確実に向上させます。

そして、共に地域を元気にしませんか?
心ある人は必ずいるはず
…そう信じて、今日も育成ラボの課題レポートを読み、講座運営を続けます。