1.育成ラボ立ち上がりの経緯
この育成ラボを立ち上げたきっかけ(経緯)は以下のようなことが背景にありました。
これは2013年から少しずつ調査をしてきたことも背景にあります。
・社会体育関連の運動処方に関する資格が乱立している状況把握(2013年~2019年にかけて、運動関連の民間資格が年々増加異傾向に…(50弱増加;運営者独自調べ。)
・資格を取得したら「はい、終了…」という現状が、健康運動処方の質的レベルを下げている事例が、研究報告であがるようになった。
・上述に関連;運動指導の現場からも同様の声を拾う機会があった。
(上記二つは2018、19年に集中的に調査しました)
・資格更新講習を実施している団体も存在しているが、その講習会そのものが形骸化している現状が、聞こえるようになった。(厚労省関連の運動指導資格@各地域の声より)
・指導資格をとったものの、その先に困難や不安があっても相談する場所がなかなかみつからない現状を、実際の運動指導者より聞き取り調査を行った経緯から。
(上記二つは、現在のサポーターさんからの声も含まれています)
…このように、実際の声や、現場の悩み等を6年間拾い続けてきました。
…実際の声に勝るデータはありません。悲痛な声や、指導者そのものが支えられない現状があることに、私たちはとても残念な気持ちになりました。
…さらに、継続的に資格発行後の支援が指導者に対して全くない…ということは、その資格そのものの価値を下げてしまうことにもつながると感じました。
…このような「形骸化」した形に陥らせないため、私たちは育成ラボを立ち上げ、教育学の視点を取り入れながら、継続的な学びによる指導者のサポート を立ち上げることを決意しました。
2.育成ラボ運営者 山下・寅嶋の思い
・これまで、私たちは、北海道内外で、様々な産後女性、更年期女性の健康運動処方に対応してきました。
・対象者の方々は、何かしらの不調に、日々悩んだり不安に感じたり、苦しんでいらっしゃったり…地域によっては、それがQOLの低下に大きく繋がる危険性をはらんでいることも調査で明らかになりました。ここは明白です。
・上記より、私たちは「なんとなく」この会を立ち上げたのではなく、およそ10年間の綿密な地域連携事業調査の中で、確実に明文化された内容をお届けしているのです。
・エビデンスに基づく地道な取り組みは、運動指導現場で、様々なポジティブ影響をもたらしてきました。そして、地道な活動が多くの健康を届けることに繋がりました。
・次の世代の健康増進へ、これは伝え続けなければならない、と社会貢献の立場をもち合わせながら、「対象者の方々のために」できることを日々学び続けています。
・ただ、私たち指導者だけでは、間に合わない現実があることを、調査が物語っています。詳しくは、資料・研究のところをご覧ください…。(中丸様;今後リンクお願いします)
・さらに、地域によっては人材がいるものの…「間違った情報」「誤った知識」「各ステージにadaptしていない指導が横行していること」等の現状も、調査によって明らかになりました…
…上記のように、地道な調査と実践を繰り返してきた結果、
・常に健康課題が産前・産後・更年期女性には存在
・健康課題や不調に対して運動処方がポジティブ効果をもたらす
・効果を伝える人材が大きく不足…
・地域によっては人材がいるものの、その人材が…
という現状がみえてきました。
育成ラボを立ち上げ、そのラボを丁寧に運営する上で、上記の内容を少しでも解消し、地域全体の健康向上につなげていきます。
そして…指導者の力は大きい。私たちはここを“強く”実感しています。寅嶋は25年以上指導に携わる中で、以下4つの結論が出てきました。
・常に謙虚で学び続ける指導者へは、対象者の方々が信頼を寄せる。
・学びのない指導者から、対象者は離れていく+健康効果は表出しない。
・指導歴(量)ではなく、質が「超」重要。お若くても優秀な方はいらっしゃる。
・「傾聴・学びのoutput・表記の質の高さ」は、指導に全て直結する
お若い指導者の方でも、物腰柔らかく、更年期女性に対する黄体力の高さを感じた指導を拝見させて頂いたとき、私は感動を覚えました。歴ではありません。質なのです。
…25年経過した今でも、私は学びがまだまだ不十分な要素があります。エビデンスが明らかになっていないピラティスやヨガは、今後も調査をし続けなければなりませんし、自身がスキルアップをしないといけない、と常に感じさせられています。
もちろん科学は万能ではありません。しかしエビデンスは、決して軽視してはいけないのです。なんとなく行ったらなんとなくうまくいった…当然これはわるくはありません。ですが、それだけでは人の健康課題は決して変わらない。変わらないんです。
…確実に「安心安全を担保」したところで、確実な成果を齎す内容を、自信をもってお届けする…これこそが私たちが目指す、「根拠のある指導」「軸のある指導」に繋がります。そして、育成ラボで人材を育成し続け、どこへいってもどんなステージにいらっしゃる女性の方へも、対応ができる指導者を、様々な地域へお届けしたいのです。
そのためにも学びはやめない、学びは継続をすること、を主軸とし、ラボを運営していきたいと考えます。
3.育成ラボの今後の未来
・サポーターの方々で信頼される指導を積み重ねていらっしゃる方々へは。「養成・育成」のほうへ回って頂きたいと考えています。ぜひ、学びの重畳化、続けてください。
・運営を行う上で、ラボの研修会が最重要課題と考えています。どこへいっても恥ずかしくない指導を行うためにも、研修会は地味で地道ですが続けてまいります。
・今後、企業へも打診をし、「産後の社会復帰のための体力回復講座」「更年期特有の症状に対する運動ケア講座」等を企業研修会としてパッケージプログラムを作成したいと考えています。ぜひこの内容をお届けできる人材になってください。